国立民族学博物館 特別展「交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界」

2023.09.11

国立民族学博物館 特別展「交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界」




ヒンドゥー教のあまたの神がみは、石や金属、土器、陶器などの立像、仮面、絵画や印刷物、タイル、刺繍、さらには絵本、コミック、切手やシールなど、さまざまなモノを通じて現れ、これらの神像は人びとが五感を通じて神と交流するための重要な媒体となってきた。
神像との交流の核心には神への「愛」があり、人が神に愛をもって接近するという能動的、主体的側面が強く表れている。日常的な礼拝においても実際に神像を沐浴させたり、着飾らせたりするなど具体的な働きかけを通して神像を歓待し、願いを聞き届けて貰おうとする。
本特別展ではこの「神への愛」に基づいた、神と人との交流のさまざまなかたちの展示を中心に据える。具体的には現代インドで特に人気のある神がみの神話を表現した図像の展示や神像への働きかけ方がわかる資料(神像の個別的なデコレーション、身体的感覚が発揮される儀礼用具などの展示や、儀礼の実際を取材した映像や写真など)を展示。それらを通じて、多神教的なヒンドゥー教世界や、そこに登場する弱みや欲望も合わせもった神がみの存在を紹介するほか、南アジアの外の世界で作られた神像も展示し、信仰に関わるモノのグローバルな流通の一端も紹介する。
会期中は研究公演、ワークショップ、トークイベント、映画上映会など様々な関連イベントが実施される。

バール・ゴーパール(幼子クリシュナ)
(撮影:増田大輔 撮影協力:株式会社エスパ)国立民族学博物館蔵

本館所蔵資料、福岡アジア美術館をはじめとする協力美術館所蔵のコレクションなどから、600点余りの神像や関連資料を展示。


ドゥルガー女神及びラクシュミー女神、サラスヴァティー女神、ガネーシャ、カールッティケーヤ、マヒシャ
(撮影:増田大輔 撮影協力:株式会社エスパ)国立民族学博物館蔵

祭礼用につくられたドゥルガー女神像やガンゴール女神像などの装飾、神話を演じる舞踊劇用の仮面とコスチュームの飾りつけなど、多彩な神がみの飾りものも見どころ。

環境に配慮したガネーシャ像※画像はイメージです

スマートフォンに大きなガネーシャ(象の頭を持った幸福の神)像を呼び込み、ガネーシャにバーチャルにお供えをしたり、ガネーシャをバックに自撮り写真を撮ったりできるAR体験コーナーを設置。バーチャル空間で神像と交流する体験を楽しむことができる。


期間: 2023/9/14(木)~12/5(火)
休館:水曜
時間: 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
会場: 国立民族学博物館 特別展示館(吹田市千里万博公園10-1)
料金: 一般¥880、大学生¥450、高校生以下無料
問 : 06-6876-2151(代表)
URL: https://www.minpaku.ac.jp/